前回の続きです。青森からの夜行急行「はまなす」で僕は札幌へ向かいました。
起きると隣の席には、大きなリュックを持った若者が。
寝る時にはいなかったなぁ、と思って話しかけたら
夜中の1時半過ぎに函館から乗って来たとのこと。
地元の名古屋から1週間以上かけて北海道に旅行に来たんだそうです。
学生のうちに長旅を経験するのは、僕も大賛成!!
ついつい自分の体験談を交えて話が盛り上がりました。
そして、朝6時過ぎに札幌に到着。思ったほど寒くはありませんでした。
そして、いよいよ今回の北海道旅行の2番目の目的!!(1番目はお友達に会うことなので)
札幌駅で待つこと2時間、朝8時を回ると、ホームに人が集まり始めました。
僕のお目当ては、「SLニセコ」号です。
列車は11月3日までの土日祝日に運転される臨時列車。
札幌から小樽を通り倶知安、ニセコ、そして蘭越までを1往復します。
そのうち小樽まではDE15形ディーゼル機関車が先頭を引っ張ります。
ディーゼル機関車と客車の間にSLが挟まれているのも、
他ではなかなか見られない光景。
出発前のホームはカメラを持った鉄道ファンや親子連れで異様な熱気でした。
8時31分に札幌駅を出発。このようにレトロな雰囲気の車内では
SL全盛期の服装の乗務員さんが、SLや沿線についての案内放送をしてくれます。
この光景だけを見れば、今の時代とは思えないですよね。
さて、日本海を見ながら小樽へ向かう列車の中で、僕は色々と考えていました。
列車の指定券は小樽より先の倶知安まである。
このままSLの旅を"乗りながら"楽しむべきか。
それとも、外からSLを「撮る」旅に切り替えるべきか・・・。
迷いに迷いながら車窓を見れば、気持ちの良い秋晴れ。
これは撮影日和って事かな!?と、撮影モードへシフトチェンジ。
こういう「予定変更」も、旅の醍醐味ですよね。
そして、札幌から約40分で小樽に到着。
ここで、ディーゼル機関車は客車の後ろに回ります。
かわって、いよいよSL 「 C11 171 」が先頭に。
この作業や記念撮影タイム、という事で列車は小樽駅に40分近く停車します。この間に・・・。
僕はお隣のホームへ。
SLの停車時間の間に先に出発する倶知安行きの普通列車に乗り込みます。
先回りしてSLを狙おうというわけ。でも、問題はどこで撮影するか・・・。
この区間では、倶知安の手前にある「銀山」駅近くの峠が有名な撮影ポイント。
ただ、そこに行くには車を使わないといけないので、列車の中から外を見ながら
駅に近い撮影ポイントを捜していくと・・・紅葉のきれいなポイントを見つけました。
降りたのは然別(しかりべつ)駅。そこから10分ほど歩いた場所に
線路を見下ろせる橋を発見したんです。
ちょうど地元の方もSLの撮影に来ていました。
「いつもの峠で撮影してばかりだとつまらないから、
今回はポイントを変えようと思ってね」なるほど、さすが沿線の特権!!
SLの思い出を伺っているうちに、遠くから汽笛が。
その音は、まるで映画の中の世界のようでした。
走行音の軽快さと裏腹に、体の奥にまで響く振動。
心地よい緊張感が体を包みます。
この気分、どこかで味わった事があったなあ。
・・・今から8年ほど前、秋田で局アナをしていた時に重要事件の犯人が捕まって、
その犯人が乗った護送車が来るのを警察署の前で半日以上待った時。
ようやく来たときの、あの緊張感・・・う~ん、この例え、出すんじゃなかった(笑)
そんな事を考えていると、あっという間にSLが自分の眼下に。
無我夢中でシャッターを押し、橋の反対側に回ります。
色付く景色の中に埋もれていく「ニセコ号」の後ろ姿を、もう1枚。
はぁ~、行っちゃった~。およそ1分のドラマ。
その姿が見えなくなると、ヘナヘナとその場に座り込んでしまいました。
何とも言えない脱力感と充実感。これが「撮り鉄」へと誘われる「魔力」なのかも。
これだけでも、北海道に来た甲斐があったなぁと思いながら駅に戻ると、
次の列車まで1時間半(笑)さすが北海道。
じゃあ駅の近くでゆっくりご飯でも、と思ったら食堂もコンビニも無い(笑)さすが北海道。
この時点で時刻は11時過ぎ。朝から食べた物と言えば、
札幌駅で「はまなす」を降りた後にホームで食べた「かけそば」のみ。
読みが甘かった。せめて「天ぷらそば」にしておけば・・・って、そうじゃないって。
空腹を訴えるお腹を、きれいな空気で無理矢理に満たそうとするのでした。
つづく・・・。